dequeとは
C++のdeque
(デック)は、Double Ended QUEueの略で、両端からの要素の追加と削除が高速に行えるコンテナです。deque
は動的配列と連結リストの特性を併せ持つため、ランダムアクセスと要素の追加・削除が効率的に行えます。
具体的には、deque
は複数の固定サイズの配列を内部に持ち、それらを連結リストでつなげています。これにより、deque
は配列のように要素に直接アクセスすることができ、また、連結リストのように要素の追加と削除が高速に行えます。
deque
は#include <deque>
で利用でき、std::deque<T>
の形で宣言します。ここでT
は格納する要素の型を表します。
#include <deque>
std::deque<int> dq;
以上がC++のdeque
の基本的な説明です。次のセクションでは、deque
のpush_back
メソッドについて詳しく解説します。
push_backメソッドの基本
C++のdeque
コンテナには、要素を末尾に追加するpush_back
メソッドがあります。このメソッドは、引数として追加する要素を受け取り、その要素をdeque
の末尾に追加します。
std::deque<int> dq;
dq.push_back(10); // dq: {10}
dq.push_back(20); // dq: {10, 20}
dq.push_back(30); // dq: {10, 20, 30}
上記のコードでは、push_back
メソッドを用いてdeque
の末尾に整数を追加しています。結果として、dq
は{10, 20, 30}
という状態になります。
push_back
メソッドは、要素の追加がdeque
の末尾で行われるため、他の要素の位置を変えることなく要素を追加することができます。これにより、push_back
メソッドは高速に動作し、大量の要素を効率的に追加することが可能です。
次のセクションでは、push_back
メソッドの使用例について詳しく解説します。
push_backメソッドの使用例
C++のdeque
コンテナのpush_back
メソッドの使用例を以下に示します。
#include <iostream>
#include <deque>
int main() {
std::deque<int> dq;
// push_backメソッドで要素を追加
dq.push_back(10);
dq.push_back(20);
dq.push_back(30);
// dequeの内容を出力
for(int i : dq) {
std::cout << i << " ";
}
return 0;
}
このプログラムを実行すると、出力結果は10 20 30
となります。これは、push_back
メソッドを用いてdeque
の末尾に要素が追加され、その結果が順に出力されるためです。
このように、push_back
メソッドはdeque
の末尾に要素を追加するための便利な方法を提供します。次のセクションでは、push_back
メソッドのパフォーマンスについて詳しく解説します。
push_backメソッドのパフォーマンス
C++のdeque
コンテナのpush_back
メソッドは、末尾への要素の追加を高速に行うことができます。これは、deque
が内部的に複数の固定サイズの配列を連結リストでつなげているためです。
push_back
メソッドは、新しい要素をdeque
の末尾に追加する際、既存の要素を移動させる必要がないため、一定の時間(O(1))で実行することができます。これは、deque
が内部的に複数の配列を管理しているため、新しい要素は新しい配列に追加され、既存の配列に影響を与えません。
ただし、deque
の内部配列がすべて満杯で、新たに配列を確保する必要がある場合、その操作は一定の時間ではなく、要素の数に比例した時間(O(n))がかかることがあります。しかし、これは稀なケースであり、平均的なパフォーマンスは依然として高速です。
以上がpush_back
メソッドのパフォーマンスに関する説明です。この情報がC++のdeque
とpush_back
メソッドの理解に役立つことを願っています。