C++ BuilderとQt: GUI開発の選択肢

C++ Builderとは

C++ Builderは、エンバカデロ・テクノロジーズが開発したC/C++の統合開発環境 (IDE) です。同社の代表製品である「Delphi」のC/C++版とも言えるRADツールで、Delphiと同様に、フォーム上に各種ソフトウェアコンポーネントやGUIウィジェットを貼り付けていくスタイルの直感的なユーザインタフェース設計を可能としています。

C++ Builderは、最新のC++言語、強力なライブラリ群やビジュアル設計ツールの組み合わせにより、ハイパフォーマンスWindowsアプリケーションを構築できる高い生産性を実現する統合開発環境です。

特徴

  • プログラムをC/C++で書ける。
  • 膨大なC/C++のコード資産をそのまま活用しやすい。
  • 単一のコードベース、単一のプロジェクトチームでマルチプラットフォーム (Windows, macOS, iOS, Android) のサポートが実現できる。
  • RAD対応環境であり、かつVisual Basicのようなランタイムライブラリの別途配布も不要(実行ファイルに結合可能)である。
  • Qtなどと比べランタイムライブラリを結合しても実行ファイルは小さい。
  • ANSI C、ISO C、C99、C11、ISO C++、C++98、C++0x TR1、そしてC++11といったC/C++標準に準拠している。

利用シーン

C++ Builderは、ビジュアル開発の生産性とC++のパワーを両立した統合開発環境であるため、以下のようなシーンで利用されます:
– ハイパフォーマンスWindowsアプリケーションの開発
– マルチプラットフォームのアプリケーション開発
– GUIアプリケーションの開発

Qtとは

Qt(キュート)は、クロスプラットフォームアプリケーションフレームワークで、The Qt CompanyとQt Projectによって開発されています。QtはGUIツールキットとして広く知られていますが、コンソールツールやサーバソフトウェアのような非GUIプログラムでも広く使用されています。

特徴

  • クロスプラットフォーム: Qtは、Windows、Mac、Linux、Android、iOSなど、さまざまなプラットフォームで動作します。
  • ライセンス: Qtは、商用版とオープンソース版の2つのライセンスを提供しています。オープンソース版のライセンスはLGPLおよびGPLで、商用版を購入するとQt商用ライセンスでソフトウェアを開発できます。

利用シーン

Qtは、以下のようなシーンで利用されます:
– GUIアプリケーションの開発
– マルチプラットフォームのアプリケーション開発
– 非GUIプログラム(コンソールツールやサーバソフトウェア)の開発

C++ BuilderとQtの比較

C++ BuilderとQtは、どちらもC++でのアプリケーション開発を支援するツールですが、それぞれに特徴と利点があります。

C++ Builder

  • C++ Builderは、エンバカデロ・テクノロジーズが開発した統合開発環境 (IDE) で、Windows向けのC++開発に特化しています。
  • ビジュアルな操作でGUIプログラミングが可能で、開発が無駄なく速いとされています。
  • C++ Builderには強力な RAD があり、画面設計がマウス操作でグラフィカルにできます。
  • C++ Builderとほぼ同じことができるものとしてはVisual StudioのC#がありますが、C#はC#であってC/C++ではないですからね。

Qt

  • Qtは、クロスプラットフォームアプリケーションフレームワークで、The Qt CompanyとQt Projectによって開発されています。
  • Qtは、Windows、Mac、Linux、Android、iOSなど、さまざまなプラットフォームで動作します。
  • Qt Creatorでは、C++ Builderに勝てないとされています。

比較

  • C++ Builderは、それ単体で作成出来る範囲のアプリケーションなら高速、簡単、綺麗に作りやすいが、大規模なプロジェクトになると流石に使える資産の量でVisual C++に分があるように思える。
  • Qtは、クロスプラットフォーム開発をするなら選択肢の一つとなります。

以上の情報から、C++ BuilderとQtは、それぞれ異なるニーズに対応するためのツールであると言えます。どちらを選択するかは、開発者の目的や要件によります。

どちらを選ぶべきか

C++ BuilderとQtの選択は、開発者の目的や要件によります。以下にいくつかの考慮点を示します。

C++ Builderを選ぶべき場合

  • Windows向けのアプリケーション開発に特化している場合。
  • 高速で簡単にGUIアプリケーションを開発したい場合。
  • RAD対応環境が必要な場合。

Qtを選ぶべき場合

  • クロスプラットフォームのアプリケーション開発をする場合。
  • 非GUIプログラム(コンソールツールやサーバソフトウェア)の開発をする場合。

最終的には、開発者のニーズ、プロジェクトの要件、そして開発者自身のスキルと経験によります。どちらのツールも強力で、それぞれのユースケースに適しています。

投稿者 dodo

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