C++ランタイムが見つからない: 原因と対策

C++ランタイムとは何か

C++ランタイムとは、C++で書かれたプログラムが実行されるために必要なライブラリや環境のことを指します。これには、動的にリンクされるランタイムライブラリ(DLL)や、プログラムが正しく動作するために必要な各種リソースが含まれます。

C++ランタイムは、プログラムの実行中にメモリ管理、例外処理、システム呼び出しなどの基本的な機能を提供します。これらの機能は、プログラムがオペレーティングシステムとやり取りするための「橋渡し」の役割を果たします。

特にWindowsでは、C++ランタイムは「Visual C++ランタイムライブラリ」として提供され、vcruntime140.dllなどのDLLファイルに含まれています。これらのファイルは、プログラムのインストール時やWindows Updateを通じてシステムに追加されます。

したがって、「C++ランタイムが見つからない」というエラーは、これらのランタイムライブラリがシステムに存在しないか、破損していることを示しています。この問題は、適切なランタイムライブラリをインストールすることで解決できます。具体的な解決策については、次の小見出しで詳しく説明します。

「C++ランタイムが見つからない」エラーの一般的な原因

「C++ランタイムが見つからない」というエラーメッセージは、通常、以下のような状況で発生します:

  1. ランタイムライブラリがインストールされていない:C++で書かれたプログラムを実行するためには、対応するランタイムライブラリが必要です。これらのライブラリがシステムに存在しない場合、プログラムは「C++ランタイムが見つからない」というエラーを出力します。

  2. ランタイムライブラリが破損している:ランタイムライブラリが何らかの理由で破損している場合も、このエラーが発生します。これは、ファイルシステムのエラーやマルウェアの影響など、さまざまな原因により発生する可能性があります。

  3. ランタイムライブラリのバージョンが不適切:プログラムが特定のバージョンのランタイムライブラリを必要としている場合、そのバージョンがシステムに存在しないと、エラーが発生します。また、新しいバージョンのランタイムライブラリが古いバージョンのプログラムと互換性がない場合も、同様のエラーが発生する可能性があります。

これらの問題は、適切なランタイムライブラリをインストールまたは修復することで解決できます。具体的な解決策については、次の小見出しで詳しく説明します。

Visual C++ランタイムライブラリの再インストール

「C++ランタイムが見つからない」というエラーが発生した場合、最初に試すべき解決策は、Visual C++ランタイムライブラリの再インストールです。以下に、その手順を説明します:

  1. コントロールパネルを開く:Windowsのスタートメニューから「コントロールパネル」を開きます。

  2. プログラムのアンインストール:「プログラムと機能」または「プログラムのアンインストール」を選択します。

  3. Visual C++ランタイムライブラリを探す:プログラムのリストから「Microsoft Visual C++」という名前のプログラムを探します。これらのプログラムは、通常、インストールされた年とバージョン(x86またはx64)でリストされます。

  4. アンインストールと再インストール:各「Microsoft Visual C++」プログラムを右クリックし、「アンインストール」を選択します。すべての「Microsoft Visual C++」プログラムをアンインストールしたら、Microsoftの公式ウェブサイトから最新のVisual C++ランタイムライブラリをダウンロードしてインストールします。

  5. システムの再起動:すべての操作が完了したら、システムを再起動します。

この手順により、「C++ランタイムが見つからない」というエラーが解消されることが多いです。しかし、問題が解消しない場合や、他のエラーメッセージが表示される場合は、次の小見出しで説明する他の解決策を試してみてください。

vcruntime140.dllの再登録

vcruntime140.dllが破損しているか、正しく登録されていない場合、vcruntime140.dllを再登録することで問題を解決できることがあります。以下に、その手順を説明します:

  1. コマンドプロンプトを開く:スタートメニューから「コマンドプロンプト」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。

  2. dllファイルの場所を探すvcruntime140.dllは通常、C:\Windows\System32(32ビットの場合)またはC:\Windows\SysWOW64(64ビットの場合)にあります。

  3. dllファイルの再登録:コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します:

    cmd
    regsvr32 /u C:\Windows\System32\vcruntime140.dll
    regsvr32 /i C:\Windows\System32\vcruntime140.dll

    これらのコマンドは、最初にvcruntime140.dllの登録を解除し、次にそれを再登録します。

  4. システムの再起動:すべての操作が完了したら、システムを再起動します。

この手順により、「C++ランタイムが見つからない」というエラーが解消されることが多いです。しかし、問題が解消しない場合や、他のエラーメッセージが表示される場合は、次の小見出しで説明する他の解決策を試してみてください。

vcruntime140.dllの手動追加/置換

vcruntime140.dllが欠落しているか破損している場合、手動で追加または置換することで問題を解決できることがあります。以下に、その手順を説明します:

  1. dllファイルのダウンロード:信頼できるソースからvcruntime140.dllをダウンロードします。ただし、ダウンロードするファイルはシステムのアーキテクチャ(32ビットまたは64ビット)に対応している必要があります。

  2. dllファイルの配置:ダウンロードしたvcruntime140.dllを、C:\Windows\System32(32ビットの場合)またはC:\Windows\SysWOW64(64ビットの場合)に配置します。

  3. dllファイルの再登録:コマンドプロンプトを管理者として開き、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します:

    cmd
    regsvr32 /u C:\Windows\System32\vcruntime140.dll
    regsvr32 /i C:\Windows\System32\vcruntime140.dll

    これらのコマンドは、最初にvcruntime140.dllの登録を解除し、次にそれを再登録します。

  4. システムの再起動:すべての操作が完了したら、システムを再起動します。

この手順により、「C++ランタイムが見つからない」というエラーが解消されることが多いです。しかし、問題が解消しない場合や、他のエラーメッセージが表示される場合は、専門家の助けを求めることを検討してください。また、dllファイルをダウンロードする際は、信頼できるソースからダウンロードすることが重要です。不適切なソースからのdllファイルは、システムの安全性を危険にさらす可能性があります。この点には十分注意してください。

投稿者 dodo

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